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ケーキを3等分に切れない非行少年たち 2023/04/19

最近よく「おまえケーキ切れないだろ」などという言葉を聞く機会が多い
相手をバカにする言葉として使われる

由来としてはケーキの切れない非行少年たちという本がバカ売れしていて、その内容としては
知的障害のある非行少年達に「ここに描かれている円のケーキを三等分にする線を引いてみろ」
という問いに対してとんでも回答をする確率が異常に高かったといい、そのような子達が
どれだけ人生で苦労していくか、、、を描いた漫画である
ちなみに各解答例は以下である

とここまではテンプレなホットな話題のご紹介
だがここからはこの本に対する異議を唱えたい

僕はこのケーキ3等分に切ってみろという問いに対して
真っ先に浮かんだ答えは「絶対むり」だった
真なる円は宇宙に存在しないのだから同じサイズで切り分けることは誰にも不可能である
かといってそんな答えは出題者は求めていないだろうから・・・
ある程度大まかな線を描けばいい、その思考プロセスが覗いてみたいだけだろうそれならば・・・
まぁ普通に考えたらベンツのマークのような線になるんだけど360度÷3=120度の中心角でそれぞれ切り分けるには
分度器みたいなもんでもないと無理だな・・うーん
円の書いてある紙はたいてい四角形だろうからその紙を中心で折ってさらに折る、そうすればおよそ直径を4等分できるからその折り目と円が重なる地点が8か所できる、そして中心よりも遠目の4地点のうち隣り合った2地点と中心点と結ぶような線を描けばかなり正確に3分の1が描ける、おそらく与えられた環境下ではベストエフォートである・・
しかしそれでも結局正確な3分の1にはならない、というか無理だろ!!!!これ何が言いたいんだ?
という感じで数秒悩んだ挙句、結局回答することをあきらめてしまったし、あきらめることが正解と確信して満足した

つまりこの本によれば僕はやはり「知的障がい者」ということで確定したわけなのだが・・
僕にはどうにも納得がいかない
なんとなくベンツマークを描いて「ほら3分の1できた~」と胸を張ってこたえられてしまう神経のほうが僕にとっては「おかしい」のだ
そういった回答をする人の割合が一番高い、つまりそれが多数派だからその他の回答を「障がい者」と決めつけて世界を分断し挙句の果てには
「よかった僕、私は正常だった」と安心させる耳障りの良い本が多数派の「平凡で普通の人たち」に支持されるからベストセラーになるわけだ

パッと見有益な社会問題を提起しているように見えるこの本がやり遂げた事
結局それは格差社会として世界を分断する境界線をよりクッキリさせたというだけの事

だがこの世界の実態は
多数派の「平凡で普通の人たち」が如何に奴隷的生活を強いられているか、そこから脱出できずに悩んでいるかを僕は注目したい
上を向き口を開けてご飯を食べるだけの為に生き、そして死んでいくだけの繰り返しが現在の地球であり、植物の光合成となんら変わりはない

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